ギターを使ってメロディにコードを付ける方法を紹介します。
鼻歌から作曲したり、好きな曲のコード進行を自分で作りたい人は参考にどうぞ。
耳コピやアレンジにも繋がる話です。
音楽理論のことをザックリ書いていきますが、そんなに難しいことじゃないので1つずつ理解していきましょう。
コード進行を先に作って後からメロディを付ける作曲方法はこちら↓↓↓
ギターで鼻歌メロディにコードを付ける方法
- 拍子をカウントしてコードチェンジのタイミングを把握する
- スケールを意識してメロディに合うベース音を探す
- ベース音をルートにしてダイアトニックコードを試す
- ノンダイアトニックコードも試してみる
※ベース音の流れを考えつつコードも試しながら進めていく感じなので、順番は特に決まっていません。
★必要な知識
- メジャースケールとマイナースケールの指板上の間隔(度数配置)
- ダイアトニックコードの役割と型
- いろんなコードを5、6弦ルートで押さえられること
まず大前提として知っておいてもらいたいのは、曲のメロディ(ベース音を含む)がスケール音を軸にして作られているということです。
メジャースケールやマイナースケールは7音で構成される音階で、どういう順番に鳴らせばキレイに聞こえるのかは音楽理論的にある程度決まっています。
耳だけを頼りに探すこともできますが、これから紹介するスケールやダイアトニックコードのことを知っていた方が早くて正確です。
スケールの間隔とダイアトニックコードの役割を説明してから、その後にトトロの「さんぽ」を使ってコード進行の作り方を解説します。
メジャースケールとマイナースケールの音の間隔
メジャースケールとマイナースケールの7つの音はメジャースケールがドレミファソラシで、マイナースケールがラシドレミファソです。
この音を順に1~7の数字(度数)にして並べたのが下の図です。
Cメジャースケール(1度がド)↓↓↓
Aマイナースケール(1度がラ)↓↓↓
ずらせば何スケールにもなるので、とにかくメジャースケールとマイナースケールの1~7度の間隔を覚えてください。(1度がキー)
1~7度の間隔はギターの性質上2弦だけ1フレットずれますが、そこ以外はどこでも同じです。
メジャースケールの3、6、7度を1フレット下げたのがマイナースケールだと知っていれば、片方を覚えるだけでよくなります。
コードは5、6弦ルートをメインに作ればイイので、2個続きの形を利用してブロックで見えるようになりましょう。(メジャースケール)↓↓↓
音の並びは鍵盤で見た方が分かりやすいかもしれませんね。
2個続きになっているメジャースケールの71、34とマイナースケールの23、56はシド、ミファです。
鍵盤も同じでシド、ミファは黒鍵を挟まない2個続きの形になっています↓↓↓
C(ド)を1度とした場合、ギターの指板図で空欄になってるところが黒鍵の音にあたるワケです。
鍵盤だと別のスケールを考える時に黒鍵があってややこしいですが、ギターは同じ形でずらすだけなので、そういう意味で作曲しやすい楽器だといえますね。
何スケールが使われているのか分かれば、指板のどこを使えばいいのか見えてくるので、耳だけを頼りにするよりもかなりの時短になります。
次は数字の動き方について見ていきましょう。
ベース音の流れはダイアトニックコードの役割である程度決まっている
ダイアトニックコードはスケール音から作られた7つのコードで、
スケールの1~7度をベース音としたコードです。
3和音とそれをオシャレにした4和音があります。(混ぜて使ってOK)
1度メジャー、2度マイナーなどと読んでください↓↓↓
★3和音
★4和音(3和音をオシャレにしたバージョン)
先に書いておきますが、ダイアトニックコードはコードネームではなく型で覚えてください。
メジャーキーのダイアトニックコードは1、4、5度がメジャーコード、それ以外がマイナーコードで7度はm7(♭5)です。
これを6番目から並べるとマイナーキーのダイアトニックコードになります。(5度をセブンスコードにすると良い)
キーCのダイアトニックコード↓↓↓
C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)
C△7、Dm7、Em7、F△7、G7、Am7、Bm7(♭5)
キーAmのダイアトニックコード↓↓↓
Am、Bm(♭5)、C、Dm、Em(E7)、F、G
Am7、Bm7(♭5)、C△7、Dm7、Em7、F△7、G7
マイナーは3つあるんですが、とりあえずここに書いたナチュラルマイナーだけ知っておけばOK。
コードの役割を示すのがT(トニック)、SD(サブドミナント)、D(ドミナント)。
マイナーのダイアトニックコードも1度から順にT、SD、T、SD、D、T、Dの役割になります。
トニックは安定、ドミナントは不安定、サブドミナントはどちらでもない中性的という意味合いです。
音楽理論的に定番の流れがあって、特に知っておいてもらいたいのは隣の弦に移動する1→4、5→1、2→5、3→6の動きです。
メジャースケール↓↓↓
マイナースケール↓↓↓
人間の耳は4度上の音に進むと落ち着くようで、このベース音の流れ(コード進行)はほぼ確実に曲中に出てきます。
トニックとドミナントを使った5→1の動きは、めちゃくちゃ終止感の出る進行になります。
「起立、礼、着席」のチャーンチャーンチャーンが良い例で、1→5→1(キーCのC→G7→C)という進行がまさに終止感のある響きになっています。
2→5→1(ツーファイブワン)の動きは4度進行と終止感を組み合わせた超ド定番の流れです。
音楽の先人たちが見つけた有名な進行↓↓↓
6→4→5→1(小室進行)
4→5→3→6(王道進行)
1→5→6→3→4→1→4→5(カノン進行)
1→6→2→5(イチロクニーゴー)
5、6弦の何フレットかを1度として、スケールとダイアトニックコードを使って弾いてみてください。
メジャーキーのダイアトニックコードを使う時はメジャースケール、マイナーキーのダイアトニックコードを使う時はマイナースケールを使ってくださいね。
トトロの「さんぽ」でコード進行を考えてみよう
「さんぽ」のAメロ↓↓↓
あるこう あるこう わたしはげんき
あるくのだいすき どんどんいこう
最初の「あるこう あるこう わたしはげんき」を鼻歌で歌いながら5、6弦をボンボン鳴らしてよく合うベース音を探してみましょう。
「さんぽ」は4拍子の曲だから、コードチェンジのタイミングは1234でカウントして「1234(あるこう)」「1234(あるこう)」「12│34(わたしはげんき)」「12│34」です。
何スケールが使われているのかを常に意識してベース音を探ってください。
原曲キーで歌うとド→ソ→ドの流れが見えてくるんですが、
C→G→C(1→5→1)のコード進行にするとしっくりくることや、曲の始めに1度を使うのはよくあることから、この時点でCメジャースケールが有力候補にあがります。
とりあえずCメジャースケールを仮定して、Cのダイアトニックコードを当てていくと・・
Cメジャースケール↓↓↓
C G C Am Dm G7
1 5 1 6 2 5
あるこう あるこう わたしはげんき
見事にCのダイアトニックコードだけでコード進行を作ることができました。
紹介した1625(イチロクニーゴー)や151もバッチリ入ってますね。
有名な進行を数字で覚えてるとコードを見つけるのが楽になるんですよ。
ちなみに最初のC(ド)を別のフレットにして全く同じ動き(間隔)で弾けば、それでキーを変えて演奏してることになります。
いちいちコードネームで考える必要はありません。
あなたの声の高さでやっても1度の位置が変わるだけで考え方は同じです。
キーCで作れることが分かったので、残りもCのダイアトニックコードを使ってみると・・(Bメロやサビを別のキーにする曲もあります)
「さんぽ」のAメロ↓↓↓
C G C Am Dm G7
1 5 1 6 2 5
あるこう あるこう わたしはげんき
F Em Dm G7 C
4 3 2 5 1
あるくのだいすき どんどんいこう
鼻歌メロディにコードをつける方法はこんな感じです。(ベース音だけでも歌えるくらいキレイな流れになっていればOK)
もちろん曲によってはベース音の流れにスケール外の音が混ざることもあるし、ノンダイアトニックコードを使うことも当然あります。
ですが、スケール音を軸にして作ることは変わらないので、スケールの間隔が見えていれば何も怖くありません。
ベース音の流れを考えたらあとはいろんなコードを試すだけだし、コードの押さえ方を知ってれば簡単ですよ。
スケールの話が分かったならコードの作り方も理解できるはずです↓↓↓
オンコードのお決まりパターンやクリシェなんかを知ってるとノンダイアトニックコードの使い方も分かってきます。
いろんな曲のコード進行を度数で解析して、引き出しを増やしていきましょう。
スケールの1度(キー)に確信を持つために
最後に1度の特徴を紹介して終わります。
- サビの伸ばすところに使われがち
- 曲の始まりや終わり、サビの頭、Aメロなどの繰り返し部分で見かける
- 5→1と進行するとそれ以上ない終止感のある動きになる
この5の感じをつかむのも1度を見つける大きなヒントになります。
Bメロを5で終わらせてサビを1で始めることもよくあるので、何スケールなのか確信を持てない時はこの辺りを要チェックです。
知っておいてもらいたい音楽理論をザックリ説明してみました。
とんでもなく長くなりましたが、ギターで鼻歌メロディにコードを付ける方法は以上です。