メロディよりも先にコード進行を考える作曲方法について書きました。
キー、スケール、ダイアトニックコードを理解すれば、平凡な曲やジングルのような短い曲なら即興でも作れます。
ギターで作曲したい方はぜひ参考にしてください。
ギターで簡単な曲を即興で作曲する方法
キレイに聞こえるベース音の流れを考えて、そのベース音をルートにしたコードをつければ曲の伴奏が完成します。
音楽理論的にメロディ(鼻歌で歌えるところ)の大半はスケール音で作られるものなので、キレイに聞こえるベース音の流れもスケール音で作ればOKです。
キーCで作りたかったら、Cメジャースケールの音を使います。
Cメジャースケールの配置を見てみましょう↓↓↓
4、5、6弦を使ってキレイに聞こえるベース音の流れを作ってみてください。
ここでは説明のために1→6→2→5(イチロクニーゴー)や2→5→1(ツーファイブワン)を使います。
この数字はいわば、先人たちが残したキレイに聞こえるベース音の流れです。
ダイアトニックコードを知ってる人なら、この数字を見ただけでコード進行が作れます。
キーCの場合↓↓↓
C→Am→Dm→G7(イチロクニーゴー)
Dm→G7→C(ツーファイブワン)
ダイアトニックコードはスケール音だけで作られているので、ベース音をスケール音で作っている以上は、絶対に外れないよく合うコードになるワケです。
スケールの間隔とダイアトニックコードの型さえ覚えておけば、それだけで平凡な曲や短いジングルなら即興で作れます。
スケールの間隔については後回しにして、先にダイアトニックコードの型を見てみましょう。
ダイアトニックコードの覚えるべきはコードの型
ダイアトニックコードは三和音とそれをオシャレにした四和音があります。
四和音はセブンス系のコードになっただけなので混ぜて使ってもOK。
★メジャーダイアトニックコードの型
- 1、4、5がメジャーコード
- 2、3、6がマイナーコード
- 7がマイナーセブンフラットフィフス
5度をセブンスにすると5→1の動きが終止感の強い進行になります。
★マイナーダイアトニックコードの型
メジャーダイアトニックコードの6番目から順に並べると(ナチュラル)マイナーダイアトニックコードになります。
- 1、4、5がマイナーコード
- 2がマイナーセブンフラットフィフス
- 3、6、7がメジャーコード
メジャーと同じく、5度をセブンスにすると5→1の動きが終止感の強い進行になります。
三和音のCメジャーダイアトニックコード(2段目がコードの型)↓↓↓
四和音のCメジャーダイアトニックコード(2段目がコードの型)↓↓↓
下段の数字とスケールの数字がベース音でリンクしてるワケなので、型さえ知っていれば中身(上段)を覚える必要はないんです。
これが理解できれば、1→6→2→5(イチロクニーゴー)や2→5→1(ツーファイブワン)などの数字を見ただけで、どんなキーのコード進行も作れるようになります。
T(トニック)、SD(サブドミナント)、D(ドミナント)はコードの役割を示していて、これによってキレイに聞こえる順番もある程度決まっています。
トニックは安定、サブドミナントは中性、ドミナントは緊張。
たとえば安定(T)→緊張(D)→安定(T)や、安定(T)→中性(SD)→緊張(D)→安定(T)といったコード進行になります。
同じ役割のコードは音が似ているため代理コードとして使えます。
- 1の代理コードは3、6
- 4の代理コードは2
- 5の代理コードは7(5/7のオンコードにするとよい)
1→4→5→1のコード進行を1→2→5→1と変えても違和感ないので、ギターで弾いてみてください。
ダイアトニックコードの肝はスリーコードといわれる主要三和音の1、4、5です。
世の中にはスリーコードだけで作られている曲もあるし、それに少し毛の生えたような曲もたくさん存在します。
きらきら星、どんぐりころころ、ハッピーバースデー、ジングルベルといった童謡がそうですね。
初めて作曲するなら145のスリーコードを軸に作ってみるとイイかもしれません。
メジャースケールはドレミファソラシドが弾ける間隔
下にCメジャースケールを載せましたが、たとえばDメジャースケールを使いたければ、同じ配置のまま1をD(レ)の位置までずらせば良いです。
要するに1の周りにある数字の間隔を覚えれば、全メジャースケールを覚えたことになります。
4、5、6弦ルートのコードを作ることが多いので、3~1弦の数字はとりあえず知らなくてもイイでしょう。
筆者はこんな感じで見えてます↓↓↓
メジャースケールは1~7を順番に鳴らすとドレミファソラシドが弾ける音階で71、34はシド、ミファです。
音の並びに関しては鍵盤で見た方が理解しやすいかもですね。
シド、ミファは黒鍵を挟まず2個続きの形になっています↓↓↓
Dメジャースケールも1~7を弾けば、キーDのドレミファソラシドが弾けます。
実音ではレミファ♯ソラシド♯を鳴らしてるんですが、そんなこと知らなくても1~7で考えて弾けちゃうワケですね。
ちなみに1~7を実音で考えることを固定ドといい、ドレミファソラシで考えることを移動ドというので覚えておきましょう。
ナチュラルマイナースケールはラシドレミファソラが弾ける間隔
マイナースケールは3つあります。
- メジャースケールの3、6、7を1フレット下げたのがナチュラルマイナースケール
- メジャースケールの3、6を1フレット下げたのがハーモニックマイナースケール
- メジャースケールの3を1フレット下げたのがメロディックマイナースケール
まずはナチュラルマイナースケールを知っておけばOK。
マイナースケールを使う時はマイナーのダイアトニックコードを使って作曲します。
メジャーダイアトニックコードを6番目から並べたのがナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードです。
コードの役割(トニック、サブドミナント、ドミナント)の順番はメジャーダイアトニックコードと同じです。
1→6→2→5(イチロクニーゴー)や2→5→1(ツーファイブワン)をマイナースケールとマイナーダイアトニックコードを使って弾くと、メジャーで作ったコード進行との雰囲気の違いが分かると思います。
キーAmの場合↓↓↓
Am→F→Bm7(♭5)→E7(イチロクニーゴー)
Bm7(♭5)→E7→Am(ツーファイブワン)
ノンダイアトニックコードも使って作曲してみよう
ダイアトニックコードだけでは平凡な曲にしかならないので、それ以外のノンダイアトニックコードも上手いこと混ぜるのが腕の見せ所です。
ノンダイアトニックコードの第一歩として、メジャーコードをマイナーにしたりその逆をやってみるのがイイと思います。
その他、ダイアトニックコードの4や5をナインスコードにするのもおすすめです↓↓↓
キレイに聞こえるベース音の流れはスケール音だけで作られるとは限りません。
お決まりの流れがあるので、作曲に慣れてきたらノンダイアトニックコードを使った作曲テクニックを詳しく調べてみてください。
何度も書きますが、曲の伴奏がダイアトニックコードを軸にして作られることを忘れないように。
キー、スケール、ダイアトニックコードは全てつながる話なので、分けて考えないようにしましょう。
スケールの間隔とダイアトニックコードの型を覚えて、まずはスリーコードを使って短いジングルで作曲に慣れていくとイイです。
以上、ギターで簡単な曲を即興で作曲する方法と必要な知識についてでした。